浄発願寺は、無常山一之澤院と号し、今を去る四百有余年前に木食遊行の開祖弾誓上人により開かれた天台宗弾誓派総本山です。
後陽成帝御宇慶長十三年(1608年)、当山の巌窟にて昼夜不断の念仏を修し、その大光明は十方に普き、在世の随化寂後の応験灼かでありました。
弾誓上人の誠の修行に心を打たれた徳川家康公は渇仰のあまり自ら当山に進臨し給うて、弾誓上人の薪、水の用にと一之澤、二之澤の山林を与え深い帰依の誠を示されました。そして関東代官頭である伊奈備前守をして手厚い保護を与えました。
多くの民衆から阿弥陀如来の化身と崇められた弾誓上人は天文十九年(1551年)尾張海部郡 (現在の愛知県海部郡)に生まれました。僅か九歳で出家し数多くの苦行を続けられた弾誓上人は、慶長二年佐渡の檀特山での修行中、阿弥陀如来を始め、諸々の菩薩が降臨されるという霊威が起こり、阿弥陀如来より血脈を相承し、「十方西清王法国光明満正弾誓阿弥陀」(法国光明仏)と名づけられました。


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